自灸自足

わたしは鍼灸師。

青雲の志も、ほど遠くなった五十代で鍼灸師になった。

病んでいる人を治してあげよう、人助けしよう、
など、高邁な精神のひとかけらも無かった。

生活のため、収入のため、要するに、
お金のために,手に職をつけようとしたのである。

東洋医学は“こころ”と“からだ”のつながりを
基本にして癒していく。

わたしの心得違いもただしてくれた。

以下はその顛末

なにしろ五十代である。
”つぼ”を覚える事に必死であった。

鍼灸学校1年生のときである。
自分の体が熱い思いをすれば、
覚えるに違いないと考えた。
夜学から帰った深夜、毎夜もぐさをひねって、
教えられたとおりにお灸した。

自分ですえられるところは限られている。
手と足とおなかである。
半年も過ぎた頃、体中の筋肉痛、便秘、
胃重、頭重,生理痛などがなくなっていた。


“つぼ”の位置のずれも多々あった。
忘れた“つぼ”もあった。

それでもこんなに・・・

五十数年の使い古した体が
「本当の健康ってこれだ」と実感した。


何とか生活ができる。
何とか仕事ができる。
「医者に罹る暇が無い」と言っていられるくらいな
辛い所はたくさんあった。
それが自分の手でなくなっていく。

体の苦痛がなくなっていくと心もゆとりができる。
辛い感情を抱えこむことも無くなる。

この予期せぬ恩恵を大勢にも分けてあげたい、
と人のためになりたくなったのである。


鍼灸師の卵の一歩も二歩も手前の
たどたどしい知識と技術。
それで出来るのだから、素人でも出来るはず。
ちょこっとつぼを教わればできるのだ。

わたしは鍼灸師であるが,主婦でもある。
家計の出費を抑えて家族の健康を守りたい。

そこでわたしの体験を披露して(HP個話サイト
お灸体験記参照)自灸自足をお勧めする。

まずは、最寄の鍼灸師にみていただいて
自分で自分に,家族に、お互いにすえる。

肝腎なことは
 ただ、ただ「継続」あるのみ。


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